分析家の独り言 794(支えが自信になる)

何か子どもに問題が起きた時、早く対応する事が大事です。

ただどこへ相談すればいいかがわからないのが実情ではないかと思います。

例えば子どもが不登校やひきこもりになると慌てます。

多いのはまずお母さんが相談に来られるケースです。

子どもさんの状態等を聴いて、対応法『オールOK』をお話しします。

最初から完璧ではなくても、お母さんは実行していきます。

すると、子どもは「あれ、何かこれまでと違う」と感じます。

お母さんも『オールOK』の話を子どもにしたりもするでしょう。

そうするうちに、子どもが分析(セラピー)にきます。

子どもは、親や友達や周りの人に話しても理解されなった事があります。

周りからは、責められる言葉を言われていたりしています。

それでなくても、本人が一番しんどく辛い思いをしているのに、です。

おそらくもう忘れていますが、親も子どもと同じような体験をしているはずです。

よく話を聴けば、親や周りの対応や言葉がけがおかしく、

子どもの感じ方、考え方の方が正しい事が多々あります。

しかし、子どもは親や周りから非難されたりマイナスの言葉を言われたりすると、

そのマイナスの言葉を撥ね返せません。

もともと自分に自信が無かったり、自己肯定感を持てずにいる事が多く、

ペシャンコになってしまいます。

それを分析者は正しく判断して、支持します。

人は支えられる事で自信を持ち、もう一度立ち上がります。

親御さんが言われます、「親も子どもを支えると言うのに、

子どもは分析者に支えると言われたからと動き出した」と。

親や家族はその子のために良かれと思って言いますが、

それは本当に子どもの立場に立った言葉であるか。

自分の価値観や考え方、希望・要求を押し付けてはいないか。

よく吟味する必要があります。

ただこれも、自己愛によって自分の価値の傷つきを守っていて、

自分は正しいと思い込んでいるので、

自分を見つめ反省し、間違いを正すのは難しい事です。

ほぼ無意識であり、本人が意識し自覚出来ないので、

ここに精神分析が導入されます。

結局、子どもの問題である何であれ、自分を知って自分をより良く変え、

自分も他者も活かす道に進んでいく。

そのきっかけを、子どもが何らかの問題行動で示してくれたと考えられます。

           ラカン精神科学研究所 セラピスト 登張豊実

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