さびしんぼう

大掃除で母親の昔の写真がばら撒かれたことによって登場した不思議な女の子が巻き起こす騒動と寺の息子の恋模様を前半はコメディタッチに後半はセンチメンタルに描く尾道三部作の最終作にして大林宣彦の多分最高傑作。

高校生の頃に見てキュンキュンと胸が痛くなったものだ。親と子の二代に渡る叶わぬ恋の物語に泣いた。

憧れの美少女とさびしんぼうの二役を演じる富田靖子の女神のような可愛いさに当時大ファンになった。だから今でも富田靖子が出ている作品を見るとちょっと嬉しい。

今見ても面白いのだけど当時ほどの感動はない。大人になってしまったのか。こういうのを、よごれっちまった悲しみというのだろうか。

エピローグの部分が過剰でやや鼻についてしまった。直後に富田靖子ショパンのメロディを歌う映像が流れたのでまあいいか。