農作業体験

 幼稚園などでの農作業体験で、田植えや稲刈りをさせているのをよくテレビで放送しています。子供たちが楽しそうにあるいはこわごわと、田に足を入れて手作業で苗を植えたり稲を刈っています。

 ところで、今どきの農家で、田植えや稲刈りを手作業でやっているところは、どのくらいあるのでしょう? プロの農業の人が今ではやらないことを「農業」として「体験」させるって、なんだろう?と私は感じます。私だったら、コンバインに乗って広い田圃をがーっと稲刈りする方がよほど楽しそうに感じるのですが。

【ただいま読書中】『ピエール・エルメ サティーヌ』ピエール・エルメ、東信 フラワーアート、椎木俊介 写真、青幻社、2016年、4200円(税別)

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4861525365/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4861525365&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=6b0dcd44ccf581cf55734d4f3c3946a1

 「サティーヌ」とは、ピエール・エルメ(パティスリー界のピカソ、とヴォーグ誌で呼ばれた人だそうです)が生み出した「クリームチーズ、オレンジ、パッションフルーツを組み合わせた風味」です。この風味をピエール・エルメは、チーズケーキ、タルト、マカロンボンボン・ショコラなどに取り入れて次々魅力的なスイーツを世界に送り出しました。

 本書は、ピエール・エルメのスイーツを、レシピつきで紹介しています。ただし、写真ではそれぞれの味や香りはわかりません。そこでそういったもの(言葉や視覚情報だけでは表現できないもの)を視覚的に表現するために、東信のフラワーアートが使われました。まるで花で織られた分厚い絨毯か、あるいは花がぎゅっと圧縮されたジャングルのような世界に、ピエール・エルメの「作品」が乗せられて、次々登場します。

 過剰なくらい色彩豊かで、美味しそうで、香りがページそのものから立ち上がっているような写真集(とレシピ集)です。とても贅沢な気分になれます。